なじみの店

sonnakonna2017-04-29

多忙の渦にのまれ会社を辞めようと思っていた頃、ランチをしながら、それでもこの店とは離れがたいと思った。疲れた顔をしていますね、とミカンやジャガイモを、さらには仏画バックをくれたこともあった。浪花の沖縄料理屋さんの話。

脳も体も疲弊しきるなかで、職場に家の鍵を忘れ、終電後の街をさまよっていたとき、ばったり会ったのは休日ランチ店の店員さん。空き部屋に泊まらせてもらい事なきを得た。京都のうどん屋さんの話。

なじみの店ってこんなもんかなぁとにやにやした秋から半年、二つの店がこの4月でしまることになった。
なぜに同時期に。もののあはれなどと、しみじみしていられない。ただ、ずどんとさみしい。
いただいた仏画バックを目にしたとき、いただいた雪花菜味噌が熟成したとき、またさみしさが降ってくるのだろう。12の職を旅した因果応報か。「残されたほうがさみしいこと、もうわかりましたよう!」

されど、浪花のしがらみがなくなった。それを暗示としていいのか、悪いのか、踏ん切りはつかないけれど。