2011-01-01から1年間の記事一覧

ゲストハウス双六

通勤のため 2週間 京都のゲストハウスに暮らした。京都のゲストハウスというと、異邦人と交流とか町家風とかそれぞれ趣向があるんだろうけれど、1泊2千円の安さで選んだそこは元男子学生寮。廊下は体重によって浮き沈みし、階段のステップはスライドし、四畳…

木の名前

毎日 職場の庭を散歩している。「庭に出てはいけないのでは」という社員伝説のようなものによって、ふんわり裁判にかけられたりもしたが、はんなり無罪を勝ち取ってふらふらしている。どんぐりなどの木の実が沢山なるし、あかい葉も散っていき、おもしろい。…

花の名前

職場の庭でみつけた黄色の花。その辺にいた無口な庭師に聞くと、果たしてそれは「ツワブキ」であった。なるほど、葉がフキのような形をしている。しかし花はこんな形であったか。やっとあえた。 つわぶきの名は向田邦子『花の名前』で知った。 桜と梅の違い…

朝礼

現在お勤めしている会社には朝礼があって、毎朝、企業理念から社員心得まで、皆で唱和する。 ひとーつ、常に闘魂を燃やせ、ひとーつ、常に最高かつ完璧を目指せ… と桃太郎侍のような調子でカビ臭い心得を唱和した後は、朝礼当番により「社員心得に絡めて自分…

摺師の技

京都精華大学の「手摺り木版講座」で、摺師 宮村克己氏による木版摺りを見せてもらった。絵具を塗った木版に紙をおいてバレンでこすること × 枚数分 × 12版。この道50年の摺師は、流れるように摺り、摺った紙を重ねていく。 摺ったばかりの紙を重ねると、ふ…

近江屋K

本日は坂本龍馬の命日、せっかく京都にいるので近江屋趾に赴く。新暦だと12月ときくが、そこはこらえて、職場の鞍馬口から繁華街河原町までの5kmの道中をスタコラサ。しかし河原町はすっかり面変わりしていて、モスドや屋台村や何やらかんやら、石碑はどこへ…

一周年

結婚して一周年、めでためでたの神輿をかつぎに、披露宴を挙げた有馬温泉ホテル向陽閣に行ってきた。一年前、向陽閣はブライダル事業をはじめたばかりで、完全外部の顧客はうちらが初めてだったとか。「披露宴じゃなくて宴会+披露宴風味。温泉なので座敷で…

献血

針で刺されるのが怖くて、献血をしたことは1度しかない。 そのとき私は大学生で、夏で、バイトをさぼって、やるせない体を引きずっていた。青山(東京ではなく新潟)のジャスコに献血車がぼんやり見えて、自分のろくでもなさをどうにか薄めたくて、針の恐怖…

京ニ上ル

思いのままに踊る暮らしをはじめた矢先に、次の職が決まった。種をまいたのは俗世の自分といえど、踊り念仏が空念仏に終わり気恥ずかしい。それでも働くことにしたのは、職場が京都の庭園の中にあったからだ。 池泉回遊式庭園で働く。パソコンごっこに目が疲…

野の花 読書

六花亭の包装紙展やら見て、雑草がまた気になっている。そもそも雑草たちとは卒論のための牧場の植生調査でアカデミックに親しくなった。植生調査とは1m×1mの枠の中に生える植物の名前と被度を書き出すもので、名前を知るたび雑草を知ったつもりになったもの…

六花亭三昧

北海道に住みはじめた山本一家を訪ねて十勝地方・中札内(なかさつない)村へ行ってきた。 どこでもドア速の飛行機であっという間に、見わたす限り畑の北海道景色、じゃがいも・玉ねぎ・とうもろこしがどっさりゴーロゴロ。帯広市にほど近い中札内村には、あ…

神さまのいうとおり

金沢の友人ナカニシの家にあった「日本の神様カード」が素敵だったので早速購入した。「復活」とか「節制」とか「教皇」といった異文化に少し距離を感じるタロットカードに比べて、なじみの神様もいっぱいいて、ふむふむめくって楽しく親しみやすい。先日占…

荒々しいむち打ち男

もう終わってしまったが、伊丹市立美術館に「フェリックス・ホフマン展 〜うつくしい絵本の贈りもの〜」をみにいってきた。(どこでも自転車で行ける喜びよ。引越して良かった)「絵本の贈りもの」という副題は、ホフマン氏が病床の我が子にグリム童話の絵本…

花街通い

2件の耳鼻科通いの果てにようやく大学病院でCT検査を受けた。 ここまで2ヶ月かかり、大学病院では毎度2時間くらい当たり前に待たされる。この時間のかけようと心の揺れ動きは花街遊びに近いのではなかろうかと、若ダンナ気分にでもなって、イキに「真珠腫性…

伊丹市

耳詰まり(プールで耳に水が入った感じ)がひどいので、引越し先の街の耳鼻科の門をたたき、治療を受けている。 江戸川乱歩描く怪博士そのものである老医師は、眼光鋭く、果敢に鼓膜付近まで吸引してくれるので耳詰まりとカビはひと段落し、おかげで耳に悩ま…

カビと真珠

中耳炎のはじめの処方薬は耳科用液。目薬の耳バージョンのようなものだ。 自ら耳に水を入れる背徳感が快感にかわり、悪くない耳にも指定回数以上ほどこすまでになった頃、両耳がひどい痒みに襲われたので医院に駆け込んだら、先生は「これはアレですね」と言…

風穴

わたくしの鼓膜には風穴があいてヒュゥヒュゥします。かと思えば脳天をつんざくバリバリ音を響かせます。温かく湿潤なナメクジが耳腔を這うようであり、内に内にツンと痛むのであります。大きな存在感を示す耳腔こそ宇宙であり、自分は耳腔に住まうナメクジ…

ニセコ

事前に風邪をひいたりして下調べできずやってきたニセコ。 どうやらニセコのバスは1日に4本ほど。が、車はかさばるのでレンタルせず。 どうやらニセコは川下りや自転車丘下りなど夏レジャーが充実しているらしい。が、曇天で病みあがりなので実施せず。 そん…

ニセコの森の小さな休日

今回の北海道のおめあては、京都で酒器をつくる今宵堂さんと、ニセコで和菓子をつくる松風さんの展示「ニセコの森の小さな休日」。今年のバレンタインデーに今宵堂さんから小さな干菓子をいただいたのだが、それが松風さんのつくる「寒氷」――外はカリッと中…

小樽

自主フレックス制で仕事を早めに切り上げ、ツレのマイルで新緑の北海道へ――。宿のある小樽に着いたときはすでに夜。駅から少し離れた宿まで夜の運河沿いを歩いていこう、などと洒落心を出したところ、廃墟が軒を並べる暗黒界を一人歩くはめになった。 昼間の…

ウメサオタダオ展

ウメサオタダオ展にてうさぎのステップについて図解があるという情報(→ほぼ日)をもらい、ウメサオタダオが何者かも知らずに万博公園に出かけた。館内に入ってぎゃふん、ウメサオタダオの記録の山である。各国で見たもののスケッチやメモ、鳥の声の音符化に…

緩和と緊張

まず目を閉じてまわりの音を聞いてみましょう どんな音が聞こえますか? それからゆっくり自分の内側を意識を向けてみましょう 呼吸はどうですか? 自分のからだの声は自分にしか聞こえません ポーズのなかで自分の心地よい場所をみつけてみましょう やすみ…

活版印刷

もう終了したけれど、東急ハンズ梅田店オープニングイベントで開催された、活版メッセ(4/19〜5/8)のお手伝いをさせてもらった。活版印刷とは、鉛製の活字を一文字ずつ組んでインクをのせ圧をかけて印刷する一昔前の印刷方法で、阪神大震災で活字がしっちゃ…

森にもっていくもの

海岸ビルヂングの Gallery Vie にアンネ・ヴァスコ+福田利之 展「森」を見に行ったところ、運よくトークイベントに参加できた。このイベントは気づいたときにすでに満席で〆切られていたいたもので、ハハァ今日だったかぁと、どっちつかずにもたもたしていた…

親知らずを抜く

右上の親知らずの虫歯祭が本格化し痛くて日々憂鬱だ。常にお囃子程度にピーヒャラ痛く、寝る前は太鼓並のドンドン鈍痛がひどい。舌と鏡の調査によると、すでに1/3が陥落して、もはや歯髄(神経)に到達しているのは間違いない。 よって、新しい歯科医院に行…

最後の晩餐

最後に食べたいものは何ですか? という聞き取り調査で浮上した「ボンヌシエール」という仏風レストランに行ってきた。神戸に遊びに来たツレの両親と母の日に。 久々のご対面で、母の日で、そこそこおいしくなくてはヨメ株も雰囲気も微妙になるだろう中、紹…

しまなみ海道をゆく

すっかりご無沙汰してしまい、どんな塩梅に書くのか忘れてしまったので、黄金週に往復した しまなみ海道 のことでも多少。 「しまなみ海道」とは瀬戸内海に浮かぶ島々を広島から愛媛まで結ぶ夢の自転車道。 6つの島と6つの橋をぬけて全長70km、地に足のつい…

うさぎ夜話 おまけ

第一夜の兎ステップの怪を解明せんとする若人からステップ想像図をいただいた。 なるほど、なるほど。 後ろ足で着地して前足で踏み切るという先入観があったけど、 前足で着地 → 跳び箱の要領で後ろ足がその前に着地 → 後ろ足で踏み切る という流れだったの…

うさぎ夜話 3

ちょっと前、ミッフィーの×が鼻と口だったというニュースが巷を騒がせていて、確かにうさぎの鼻と口はそういう形をしてなぁと、なつかしくおそろしく思い出した。 学生時代、うさぎを飼う友人宅へハムスターを飼う友人と遊びに行ったときのこと。ハムスター…

うさぎ夜話 2

うさぎにまつわる絵本で印象に残っているのは、『あめがふるときちょうちょうはどこへ (世界の絵本ライブラリー)』という絵本。 それを小学校の図書館で見つけた時は武者ぶるいした。タイトルそのままが当時の私の疑問だったから。 雨の日に蝶がどこに身を寄…