野の花 読書

六花亭の包装紙展やら見て、雑草がまた気になっている。

そもそも雑草たちとは卒論のための牧場の植生調査でアカデミックに親しくなった。植生調査とは1m×1mの枠の中に生える植物の名前と被度を書き出すもので、名前を知るたび雑草を知ったつもりになったものだ。「血止め草」とか「屁糞かずら」とか「立ち犬の陰囊(フグリ)」とか! 粗野な命名に感動したが、最近では手荒れと花粉症により疎遠になりつつあった。

イギリスの野の花えほん野の花えほん 秋と冬の花野の花えほん 春と夏の花
そんな雑草欲にぴったりの本が『野の花えほん』。絵本と言うより図鑑のようで、きれいな絵とともに名前の由来から調理方法まで情報がてんこもりだ。同じ出版社から『イギリスの野の花えほん』という訳本も出ているが、こちらは情報ではなく絵が流れる舞踊。
たとえば「わすれな草(Forget-me-Not)」については
「このかわいい花がどうしてワスレナグサと呼ばれるのか知りませんが、とにかくわすれれられない名前ですね! 小さくてかわいらしいかもしれません」
とただの感想が記載されているだけの踊りっぷり。(ちなみに前述の『野の花えほん』にはドイツの詩付きで由来が紹介されている。参考文献もずらりと、たのもしい)

家守綺譚 (新潮文庫)
それからピース又吉おすすめの『家守綺譚』を読んでいる。庭の草木との交歓の話が寝る前にちょうどいい。