赤子祭

母の骨折入院のため、ここ半月、産後の姉と乳飲み子の世話をしに金沢に戻った。
なんでも産後2週間は家事などさせずゴロゴロさせたほうがいいそう。 昔は「産後60日間は水にさわらせるべからず」と今よりもゴロゴロに厳しく、年配の方ほどその傾向があるようだ。 お産情報というのは変動が激しい。


さて家に来たばかりの赤子は生後7日目で、異星人なんだかおっさんなんだかシワシワの風体でただひたすら眠っていて生死すら不明だったのだが、生後20日目ともなると開眼時間も延び、ふっくらした顔で「あーうー」と話し、ずいぶんと赤子らしくなってきた。
日々の食・排泄・沐浴などお祭り騒ぎに、父姉私はいやおうなしに赤子会の会員となってワッショイワッショイ神輿をかつぎ、日常の些細な進化について観察し意見交換する浮かれぶりだ。
世には赤子本がとても多く駄作率も高いが、やはり赤子がいると観察して記録したくなるし、母は閉じこもりがちで情報がほしいし、需要供給が高くあるのだろうと思う。


ちなみに赤子は「りりあ」という派手な名前なのだが、誰しも「赤子」と呼んでいて、赤子が自身の名前を間違って覚えるのでは、と父が杞憂している。