鴨川をゆく

クラスメイトがイラストの個展をやっているというので、近所の町家ギャラリーに自転車で出かけお茶をいただき、のんびり鑑賞した。鉛筆で描かれた三条から四条にかけての鴨川風景は、知り合いのようななじみ深さがある。

それから図書館で本を返して、また別のクラスメイトが賀茂川でギターを練習しているというので、帰り道にのぞく。水量の増した川がザーザー、カモがえさをついばみ、散歩の人が行き交う川景に、まろやかに音は溶けてゆき、それはそれは映画のひとこまのように完全な世界だった。

そのあと鴨川を下って街中の居酒屋に行き、前職の皆さんとお酒を飲んだ。うれしいお酒。一年前は皆同じオフィスにいたのに、今ひとりは東京、ひとりは尼崎に住み、私もさ来月には神戸っ子だ。

ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず

――名残惜しいけれど。