せんと祭

sonnakonna2010-10-29

今年は平城遷都1300年祭で、関西の各駅でも車中でも「せんとくん」がいたるところでPRしていて小憎らしい。
そんなお祭り騒ぎも11月7日まで、とか、300万人もが平城宮跡に訪れて奈良市ほくほく、とか、せんとくん人気で転職決定、など奈良の風のうわさに誘われて、尻が落ち着かず、ヒートテックの破れをつづり、「せんとくん1日乗車券」を使って、いそいそ奈良・平城宮跡に出かけてきた。

三宮〜奈良の70分の電車の車中、人がたくさんいて座れたのは半分くらいだけど、席運良くいいおじさんと隣り合った。左とん平風のおじさんはお手製の帳面を手に何やらそらんじていて、帳面には「平城宮跡を走る近鉄電車〜近鉄開通は大正4年特別史跡に指定されたのが大正11年〜」など興味深い情報が。
おじさんの集中力といかめしさをかいくぐって、声をかけてみれば、平城宮跡のボランティアガイドさんとのこと。 あれこれ親切に説明してくれ、気がつけば、私もにわか平城熱が高まってきてどうしようもなくなくなってきた。そういえば京都に住み始めた時も、地図に平安京の地図を書き写しては興奮していたのだったっけ。もう忘れていた、なつかしい熱情だ。

大和西大寺駅から平城宮跡まで徒歩10分。ジェット推進で駆け巡りたい気分だったが、整理券は無情にも2時間後入場だったので、熱が冷めたころに「平城京歴史館」で、せんとくん動画をみたり遣唐使船に乗船したりしてバーチャル平城宮に詳しくなったところで、「ガイドツアー」で実際歩く。おじさんの入れ知恵通りで効率的といえど、おいそれと古代に思いを馳せられるもんではない。ただ、草っぱらに空と大極殿朱雀門とがある風景はよかった。京都の平安神宮よりちょっと落ち着いた色みだった。

ここはお宝(もっぱら木簡)がたくさん眠っているので遷都祭が終わったら朱雀門など以外は道も建物もすべて撤去するそうな。例の近鉄電車が平城宮跡を走っているのも風情があっていいと思うけどガイドさん達は渋い表情。京都なんて平安宮跡にポルノ映画館とかあるけどね。



そんなこんなで、おじさんガイドに憧れて私も「奈良まほろばソムリエ検定」の本を買ってしまった。帯はせんとくん。 そしてわが家には乗車券特典でせんとくんバッチが2個。 にわかにこんな増殖するなんて…恐ろしい子