さくらんぼ貴族

毎年、父の日の贈り物は、母の日とセットでさくらんぼ。山形の農家の友人カタギリにお願いしている。
紅がかった色もぷっくりした形もかわいいし、口に入れれば、あな!酸いい甘さがたまらない。

会社でもほんのすこし配ったら、「こんな素晴らしくおいしいものを気前よく配るなんて!」「ふだんはアメリカンチェリーしか口にしておりません」と、同僚らの目に崇拝の色が。「苦るしうない」などと声をかけてまわる。関西ではさくらんぼは稀少価値は高いようだ。

新潟大学にたくさんいた山形県民の一人が、卒論合宿の際に さくらんぼの塩漬け を大量に持ってきていたことがあった。沢山あるから日持ちのために、とのこと。こちとら さくらんぼ貧民、塩漬けにするなんて狂気の沙汰だ。圧倒的なさくらんぼ観の差を見せつけられて、ぐうの音も出なかった。

7月となり、手持ちのさくらんぼを全て食べきり庶民に戻った。それでも「あの時の御礼です」と菓子をくれる民もいて、さくらん中流貴族時代の栄華を思い出す。おいしかったな〜。