還暦エキスポ

イラストレーターの安齋肇さん、よく知らないが、ちゃらんぽらんでちょっと破廉恥なイメージがある。「若いころ、よく安西水丸さんと間違えられて仕事もらってね、そのころ全てのものにオチンチンつける絵かいてたのにさァ」先日のワークショップでの発言で、そのイメージは濃厚となったところだ。タモリ倶楽部にも出ているというし。

そんな折、安齋氏の展覧会があるというので、梅田(大阪)のロフトに行く。安齋氏の制作物をメインとしながらも、同時に、趣味で集めたダルマなど非制作物も展示されていて、どうしたことか、ややこしい。おまけに太陽の塔のようなモニュメントまでそびえている。なんだ、これは。
よくよくパンフレットを読むと「安齋肇 還暦博覧会 ―大阪の陣― anzai expo 60」というタイトルだった。「60年のアレヤコレヤをズラリズラズラと展示」しているそうな。なるほど、なるほど。今年12月21日に還暦を迎えるそうで、こんなエキスポしてもらえるなんていいなぁ。すべての順路をまわった後は安齋肇の脳内巡りをしたような、そしてそれを自身の記憶と履き違えるような変な気持ちになった。そして、ちゃらんぽらんなイメージは変わらないけど、そこに「ちゃんとしている」が付加された。

そういえばワークショップでもちゃんとした発言もあった。「目をつむったり左手で絵を描いたりすると、味わいのあるいい絵が描けるけど、そんなの利き手がかわいそうじゃん。右手でも左手を超える味わいのいい絵が描こうぜ。プロの手はそんな手」。

ちゃんとしているちゃらんぽらん男子60歳の博覧会は9月10日まで。