ハウス名作劇場

こちらに到着して4日が過ぎ、なんとこさやっとこ よく眠れたよ とか 今日は暑いね とかステイ先のマダムの質問に答えられるようになってきた。はじめは地下鉄の携帯のごとく、ずっと分かる言葉を聞きとるよう電波を探して受信受信していたが、私の充電が切れるので、ぼんやり聞き流すことも多くなった。

日本人のルームメイトは、初めためらっていたが、ステイ先の悪いところを教えてくれた。いわく、ここは神経質にはとても住めない家、だそうだ。
まず食についてずぼら。ひと月もラップ無しに放置して白くなったアップルパイを人に食べさせる(ギャー犯罪とジェスチャーしてくれておもしろかった)。食品は全て古いし時にカビが生えている。キッチンも汚い。
とにかくケチ。水や電気を使うとイヤーな顔をされる。使えないようにオーブンを閉鎖している。そのくせ自分の息子やお客さんには豪勢に振舞う。私が食べないように、これまで散らかしていたチョコレートを棚に片付けた、などなど。
彼女は食事は別なのだが、私が毎夜サラダのみだと知ると、昼はバーベキューしてたのに!と絶句して、もうマダムの声も聞きたくないと怒りを噴火させていた。

あまりに詳細にケチ話が展開されるので笑える。おとぎ話のようだ。私は小公女、出資者でありながら賞味期限の切れたヨーグルトを食べる身、人形とともに「こうだったらいいね」と空想する日々が展開されるのだろうか…(私の部屋には5体人形がある)。あべし。

すべて真に受けるわけではないが、4ヶ月もあるので他のおうちのごはんも知りたいし、もうちょっと様子を見て変えてみようと思っている。