花冷え

ようやく母が退院したので日常生活に慣れるまで世話に行ってきた。

早く帰りたい!が口癖だった母だが、ぬるい病院暮らしになれたのだろう、シャバではとてつもない心配性に陥っている。
眠れるかどうか、世話人(私)が帰ったら生活できるか、今後きれいに歩けるようになるか、赤子が踏みつぶされないか、父がお酒を飲んで風呂場で溺死しないか、……。 自分のことも他人のことも大小問わず心に浮かぶようだ。 大きな案件のみ大脳会議室に伝えるバルブ役が馬鹿になったのじゃないか。

そういや姉も赤子出産後に心配性に陥っていたなー。 数ヶ月も先の外出予定時の赤子の面倒を気にしていて、そん時はそん時でなんとかなろうよ、と伝えども、鬼の形相でベビーシッターを探していた。
しかし時を経て、姉はすっかりとタフなおっかさんへと変貌した。 赤子と父の世話で忙しくしている内に、暖かくなり産後の肥立ちを乗り越えたのだろう。 あれだけ繊細に扱っていた赤子姫に対しても、今日では手の焼ける同居人という感じで大雑把に取り扱っている。 か弱げな赤子もドスコイ風になったし、赤子に無茶をしても叱られない。

母もしかり。今は急に冷えて雪が降っているが、もうすぐ桜も咲くでしょう。


(赤子をはじめてひっくり返してみた。最初ポカーンとしていたが新刺激に味をしめた様子)