記録魔術

ウメサオタダオと出あう  文明学者・梅棹忠夫入門ウメサオタダオ展が本になっていた。
記録魔ウメサオタダオの膨大なメモを陳列したこの展覧会で 「はっけんカード」(京大型カード)に感想を書くコーナーがあったのだが、そのはっけんカードがドーンと掲載されている。 展示会来場者をしてウメサオタダオを知る。周りを囲む人により故人の形が浮かび上がるところが、なんだかお葬式っぽい。

ページをめくると私の一葉も掲載されているじゃないか。「質問しといて答えまで予測しているのはこのカードだけ。あっぱれ」と評されていて、照れにやり。うまく書けなかった落書きも本になれば偉そうなエヘン顔をしていた。

実際に展覧会に行った私は、ああこんにゃく気になるよね、そんな展示もあったか、と卒業文集でも見るように共感しながら読めるけど、行ってない人にはどうなんだろう。こんなメモリアル本をよく作ったもんだと思う。ウメサオに関わるとみな何やらおかしな記録魔術にでもかかるのだろうか。鳥の鳴き声の楽譜に感化され「すげー♪」を音符化した人、メモ呪術「こざね法」を真似ると宣言する人々…。すごい影響力である。
そして記録魔術は東へ。日本科学未来館でもウメサオ展開催されているそうな。


梅棹忠夫(1920-2010):民俗学者にして情報整理学者。あちこち行くのが好きな記録魔だから民俗学者と呼ばれ、メモがたまりすぎたから情報整理をせざるを得なくなった、とみている。