遅れてきた、ちりとてブーム

ちりとてちんメモリアルブック 2008年 8/25号 [雑誌]年末にNHK連続テレビ小説ちりとてちん』DVDを貸してもらい、どっぷりはまった。
ちりとてちん』は上方落語噺家を目指す主人公の成長物語なのだが、その成長はともあれ、入門する徒然亭のあれやこれやにいちいち感情移入してしまい、特に渡瀬恒彦演じる草若師匠が亡くなるときには嗚咽が止まらなかった。
朝の連ドラというのは、15分で小さく泣かされ、1週間で大きく泣かされ、こんなに自身の感情に巣食うものだったとは、恐ろしい! DVDの文明により1日で1週間分見るという暴挙に出たため、毎日感情を根こそぎ持っていかれた。
主人公が覚える落語のみならず、登場人物名やストーリーにさらりと落語がからめられているのも、覚えている身には嬉しい。
これだけ感動しても5年も前の放送だし、また同じ脚本家の『平清盛』が史上最低の視聴率という旬な逆風もあり、共感できる人が少ないのが残念なところ。

しかし地下にはまだ根強き親衛隊がいた。その人たちは、毎年年末に桂吉朝一門会に合わせて大阪にやってきては、撮影舞台巡りをして、「和食巧房 ちりとてちん」で忘年会をするのだと、そこの店主が教えてくれた。年に1度忘年会でしか会わない人たちが何の話をするのだろう、興味深い。
そして主人公の故郷である福井県小浜市でも、ちりとては健在。ちりとてちん杯全国女性落語大会が毎年催されているとか。これは愉快な人たちが集結しそうなので、今年参加できたらいいな〜。